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第2創業(事業承継)

事業承継の進め方

<質問>
事業承継を円滑に進めるために、
大切なことはなんでしょうか?
 
<回答>
事業承継を円滑に進めるために大切なことは、
以下の3つです。
 
(1)会社事業が好調なこと
会社の事業が好調であれば、事業承継によって
いろいろな問題が発生しても、対応可能です。
 
しかし、
現実問題として会社の事業が問題ないと言える会社は少ないでしょう。
 
また、
ある時期は、好調であっても、外部環境の変化などにより
好調を維持できる会社は少ないでしょう。
 
したがって、
この好不調の変動を利用して、親世代が体力などに余力がある時に、
親世代が子世代をサポートしながら、子世代の経営者としての経験を増やし、
会社の経営能力を高めることが必要になります。
 
(2)創業者一族が仲が良いこと
事業承継を開始すると、親世代から子供世代に、
株式や土地、建物、現金預金などの財産を、
だれに渡すのかが明確になります。
 
また、
会社の経営も、だれが引き継ぐのかが明確になります。
 
そうすると、
一族の中で、騒動が生じる可能性が高くなります。
 
そこで、
創業者一族が仲が良いことが、重要になります。
 
実際には、
絵にかいたような仲良し一族というのは、非常に少ないです。
 
一族の中に、
金銭の問題、健康の問題、心の問題を持った人がいることが多いので、
問題が起きると想定しておいたほうが良いでしょう。
 
したがって、
一族の話し合いが必要になることもあるので、
事業承継には、ある程度長い時間を要すると考えたほうが良いでしょう。
 
(3)親世代の実績とプライドを大切にする
 
子世代の経営者は、親世代の経営者に対して、「経営手法が古い」とか
「戦略がない」とか、「従業員や仕入れ先への接し方が前近代的だ」など、
批判をしがちです。
 
しかし、
親世代の経営者には、会社をこれまで経営し、
家族や従業員を養ってきた実績とプライドがあります。
 
事業承継の話になり、「親父の会社経営の方法は、古いんだ!」なんて批判を始めると
親世代の経営者は、子世代の経営者を「勉強はしているけど、理論重視で、実行力不足だ!」
なんて批判をして、会社の中での権限委譲が進まなくなります。
 
子世代の経営者が、親世代の経営者に対して批判をしたくなる気持ちもわかりますが、
親世代の経営者に対して、常に、会社をこれまで経営し、家族や従業員を養ってきた実績と
プライドに敬意を払うことは、事業承継を円滑に進めるうえで重要だと思います。

 

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事業承継の過程ですること

<質問>

事業承継の過程で、一般的にどんなことをするのでしょうか?
 
 
<回答>
一般的には、会社のことと、一族のことに分けて、以下のことを実施します。
 
1・会社のこと
 
(1)後継者の決定
 
まず、後継者となる子供を決定します。
その会社で働いている子供が、1人しかいなければ問題ないですが、
複数いる場合には、だれが後継者となるかで、争いや混乱が生じる危険性があります。
 
(2)株式の移動
 
後継者となる子供が確定したら、親の株式をその後継者に移動します。
方法としては、贈与と譲渡があります。
 
株式の移動に、どれぐらいの時間とお金を投入することが可能かで、
贈与と譲渡をどのように組み合わせるのかを決めます。
 
それから、
問題になる可能性が高いのは、会社の事業に関係していない親の兄弟が、
会社の株式を持っている場合です。
 
親が死亡した際や、この親の兄弟が死亡した際に、株式の買い取り交渉などで、
争いや混乱が生じる危険性があります。
 
親が生きているときに、親族会議を開催し、親の兄弟が持っている株式を、
後継者となる子供に譲渡してもらうことを、親の兄弟に了解してもらい、
譲渡を実行するのがお勧めです。
 
(3)経営引継ぎの時期
 
だいたいで良いので、経営の引き継ぎに時期を決めましょう。
 
具体的には、

子世代の経営者が、「取締役」になる時期、「代表取締役」になる時期です。

 

子世代の経営者が、代表取締役になると、肩書きは、「代表取締役社長」となります。

そして、

親世代の経営者の肩書は、「代表取締役会長」になることが多いようです。

 
2・一族のこと
 
一族のことは、結局、相続税がいくらになり、はたしてそれは、
支払うことができるのかという問題になると思います。
 
そのためには、以下の確定が必要です。
 
(1)財産はいくらあるのか
(2)負債はいくらあるのか
(3)財産と負債は、誰が引き継いで、結局、相続税は、いくらになるのか?
 
実際には、
個人の財産と負債を、生前に網羅することは難しいので、
だいたいこれぐらいの金額ですということになると思います。
 
これらの作業をして、相続税の計算をした結果、相続税が支払えそうだということになると、
少し、安心できます。

 

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子どもに経営を任せる(その1)

<質問>

子供に、会社経営を任せて大丈夫か?不安です。

 

<回答>

確かに不安ですよね。。。 

 

でも、

実際に、経営を任せてみると、どうにかなります。

 

なぜなら、

「地位は、人を作る」からです。

 

頼りないと思っていた子供でも、「地位」を与えると、

どんどん「経営者」らしくなっていきます。

 

なお、

子世代の経営者を代表取締役にしても、金融機関からの借入金の担保を、

親世代の経営者がしていることが多いので、親世代の経営者も代表取締役でいることが多いようです。

 

ただし、

親世代の経営者が、「顧問」になって、経営の第一線から完全に身を引くこともあるし、

「会長」になって、次世代の経営者のサポートをすることもあります。

 

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子どもに経営を任せる(その2)

<質問>

子供に、会社経営を任せて大丈夫か?不安です。(その2)

 

<回答>

確かに、不安ですよね。。。

なぜなら、創業者である親世代の経営者は、一般的に、全部一人で、

できてしまう経営者です。

 

つまり、

親世代の経営者は、小規模な会社を大きくしたので、経営のほかに、

営業、仕入、管理、人事など、会社業務のすべての分野を把握していて、

実行できてしまいます。

 

ところが、

後継者である子世代の経営者は、営業や管理など、ある特定の分野には詳しいけど、

それ以外の分野については、未経験という場合が多いです。

 

したがって、

どの分野にも精通していて、一人でできてしまう親世代の経営者から見ると、

特定の分野にしか詳しくない子世代の経営者に任せて、「大丈夫か?」と、

不安になるのは、当然です。

 

しかし、

子世代の経営者は、自分自身が、特定の分野しか詳しくないという「弱み」をわかっています。

その弱みを補うために、親世代と同じように、全部の分野に精通しようとすると、

時間と経験が足りません。

 

そこで、

子世代の経営者は、

自分自身が詳しくない分野について、勉強して、経験を積むのと並行して、

各部署を任せることができる人を育てたり、会社外部から見つけて中途採用する方針を取ることが多いようです。

 

結果的には、

親世代の経営者の時代のように、創業者がすべての権限を持つ集権的な組織ではなく、

複数の責任者で会社経営をする分権的な組織が出来上がることが多いようです。

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