<質問>
税務調査は、突然に実施されるのでしょうか?
また、いつぐらいに実施されるのでしょうか?
<回答>
相続税の場合、
「税務署の人が、突然、自宅や会社に来ちゃいました」というパターンはありません。
通常は、
事前に顧問契約をしている会計事務所に税務署から連絡があります。
税務調査が実施される時期は、秋(9月から11月まで)が一般的です。
その後に、
税務署と相続人で日程調整をして、税務調査が実施されます。
以上より、
税務調査の実施日が確定したら、相続人は、税務調査が実施されるまでに、
顧問契約している会計事務所と相談して、きちんと契約書や領収書などが、
管理しているかなどについて、準備をしないといけません。
<質問>
税務調査は、どのような手順で実施されるのか
<回答>
10時に開始して、16時過ぎに終了するのが、一般的です。
日数は、相続財産の金額や所在地によりますが、
1日か2日ということが多いです。
なお、
税務調査では、被相続人(亡くなった人)が生前住んでいた家に、
配偶者やお子様が継続して、居住していれば、
その生前に住んでいた家で実施されるのが一般的です。
第1日目の最初に、被相続人やその配偶者の生い立ちなどを聞きます。
目的は、なにが相続財産なのかを確定をすることです。
したがって、
配偶者が、結婚前に持っていた財産や、
配偶者が配偶者の親から相続した財産を確定します。
また、
被相続人の趣味も質問されます。
書画、骨董、ワインなど、相続財産に該当する趣味があれば、チェックされます。
その後、
被相続人(亡くなった人)が生前住んでいた家で、税務調査をしている場合には、
その家の中を見ます。
被相続人の使用していた部屋や机、印鑑の保管場所などをチェックするのが目的です。
また、
別の日に、被相続人が経営していた会社を訪問したり、金融機関の貸金庫を見る場合があります。
そのあとは、
通帳を見たり、株式取引の記録を見たりして、16時ぐらいに終了となります。
<質問>
相続税の税務調査で、
1番目に問題となるのはなんですか?
<回答>
相続税の税務調査で、税務署職員が一番発見したい財産は、
業界用語で、「名義預金」と「名義株」といわれている財産です。
具体的には、
被相続人(亡くなった人)の配偶者や子供など、被相続人以外の名義になっているので、
相続財産として申告はしていないけど、実質的には、被相続人の財産と考えられる銀行預金や株式のことです。
つまり、
被相続人の奥様や子供の名義になっている銀行預金や株式を、税務調査で調べます。
したがって、
無職の奥様や社会人ではない子供に、不相応な金額の預金や株式があれば、
それは、名義預金や名義株ではないかという話になります。
実際には、
使用している金融機関や届け出印、入出金のタイミング、購入している株式の銘柄などで、
判断されます。
逆に言えば、
相続税の申告の際に、名義預金や名義株式を含めて申告をするので、
相続税の申告を担当する税理士や会計事務所と、しっかり相談することが必要になります。
<質問>
相続税の税務調査で、2番目に問題となるのはなんですか?
<回答>
「名義預金」と「名義株」と並んで、税務署職員が発見したい財産は、
被相続人が死亡する前に、被相続人の財産から抜けてしまった財産です。
具体的には、
被相続人がお亡くなりになる前に、被相続人の銀行預金から引き出したお金が問題となります。
一般的には、
葬儀などでお金が必要となるので、お亡くなりになる前に、
家族がお金を銀行預金から引き出すことが多いようです。
その引き出したお金が、相続税を逃れるためにお金を引き出したということになると、
相続財産に含めてくださいということになります。
したがって、
税務調査では、税務署職員が、預金通帳を見て、
巨額なお金が引き出されていないかをチェックします。
逆に言えば、
相続税の申告の際に、銀行預金から引き出したお金を含めて申告をするので、
相続税の申告を担当する税理士や会計事務所と、しっかり相談することが必要になります。
<質問>
他人から聞く相続税の節税対策は、自分の場合でも、実施可能か?
<回答>
相続財産の中で、大きな割合を占めるのが、土地と株式です。
この土地と株式については、譲渡や贈与について、
細かい条件が付けられているのが一般的です。
したがって、他人や他社では大丈夫だったことがダメで、税務上の優遇を受けられないという話は、
よくある話です。
また、いい加減なことを言う人もいます。
実際にあった話ですが、ある社長さんは、知り合いの人に、
「死ぬ前に、銀行預金からお金を引き出しちゃえば、相続税が安くなるから、
絶対にお金を引き出したほうが良い!」
と、アドバイスされたそうです。
たしかに、
相続税は安くなりますが、税務調査があれば、当然に、
相続財産漏れで、追加の税金を支払うことになります。
仮装・隠ぺいの意図があると税務署が判断すると、
重加算税を支払う危険性もあります。
相続税や贈与税についても、顧問契約をしている税理士や会計事務所に、
しっかりと相談してくださいということになります。